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2011年6月度月例会

 
2011年6月度月例会
【日時】   2011年6月22日(水) 16:00~17:30
【場所】   SBIホールディングス 20F 役員大会議室
【講演】   講師:一般社団法人ECネットワーク 理事 沢田 氏
テーマ:『国境を超える取引に関する法的問題~海外向けネット販売の留意点~』

一般社団法人ECネットワークは、ネット通販やネットサービス、ネットオークションといった、 インターネット取引に関する一般消費者の方からの相談(無料)、またネット通販を行う事業者の方からの相談(会員制)を受け付ける窓口機関です。今回は海外向けネット販売における法的な留意点について、ご講演いただきました。

 

◆越境取引に関する各省庁の取り組み
経済産業省:
2009年 越境電子商取引の法的問題に関する検討会
2010年 越境電子商取引市場規模調査 →2011年6月公表

 

消費者庁:
2010年 インターネット消費者取引研究会
越境消費者取引の紛争解決に関する海外調査→2011年6月公表
2011年 Cross-Border Transaction Consumer Advisory Network(実証実験)

 

◆越境取引紛争の基本的な考え方
公的規制(事業免許、安全規制・広告規制など)は、仕向国の規制に従う義務があります。事業主体、およびサーバが日本にあっても同じです。しかしながら、B2Bの場合、売買契約の作り方によってリスクはかなり軽減されるとのことです。

 

海外向けネット販売においては、民事紛争にも気を配る必要があります。民事紛争には、消費者保護や個人情報保護に関わる紛争、製造物責任、商標権・著作権など知的財産権侵害、通常の契約上の紛争などいろいろあります。

 

<ポイント>
・どちらの国の裁判所で争うことになるか(国際裁判管轄)
・どちらの国の法律に従って判断するか(準拠法)
・B2Bであれば、管轄・準拠法の事前合意が可能、売買契約に規定しておく
・B2Cの場合は、事前合意が有効とされない場合がある
・サーバ所在地は、管轄・準拠法の判断基準にならない
・不法行為など契約外紛争を含め、準拠法は裁判地の国際私法によって決まる。

 

◆論点1:事業者間取引(B2B)の場合
-国際裁判管轄や準拠法について、契約等により、取引当事者間で予め合意がある場合、基本的には、当該合意内容が優先される。
-また、事前に合意がない場合においては、被告の所在地の裁判所で、売主の所在地の法律に従って紛争解決に当たることとされる場合が多い。しかし、各国の判断基準は同じではなく、実際の裁判管轄・準拠法の判断は個別の具体的な事情によっても異なる。
-なお、国境を越えた動産の売買については、国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の規定が直接適用される場合があることに留意する必要がある。

 

◆論点2:事業者・消費者間取引(B2C)
-事業者・消費者間取引においては、消費者の居住地において、裁判が可能であったり、その地の法が適用されたりする場合が多い。また、たとえ、国際裁判管轄や準拠法について、契約等により予め合意していたとしても、当該合意は無効となる場合が少なくない。
-なお、事業者・消費者間取引には、ウィーン売買条約は原則適用されない。

 

◆論点3:製造物責任
-製造物責任については、被害の発生した地や被害者の居住地において、裁判が可能であったり、また、被害者の居住地や被害者が製造物を入手した地の法が適用されたりする場合が多い。
-なお、商品を製造した事業者(≠販売者)と被害者との間に契約関係はないため、国際裁判管轄や準拠法についての合意は原則として存在しない。

 

◆国境を越えた商標権行使について
-日本の裁判所に訴えが提起される場合、ウェブサイトでの商標使用行為が日本国内での使用といえるのであれば、日本の国際裁判管轄が認められると考えられ、また、日本法が準拠法となると考えられる。
-更に、日本の商標権の侵害が成立するためにも、日本国内での商標の使用等があったということが必要となる。そのためには、ウェブサイト上での商品の譲渡等又は役務の提供が、日本国内の需要者を対象としていると認められる場合であることが必要。

 

以上

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